今日のお題は
高野 登さんです
元ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長ですよ
今日のお題
伊那食品工業という、経営者の間ではよく知られた素晴らしい会社があります。そこの社是、哲学は、「いい会社をつくりましょう」。その哲学のもと、40数年間、増収増益増員を続けています。この半世紀、日本の経済状況は大きく揺れていますが、この会社はぶれません。それだけ、根っこがしっかりしているということです。
その社是が刻まれた石碑の裏には、塚越会長が敬愛する二宮尊徳翁の「遠くをはかるものは富み、近くをはかるものは貧す」の言葉が刻まれています。伊那食品工業を初めて訪れたとき、たまたま目に入った24、5歳の女性社員に尋ねました。
「この会社の課題は何だと思いますか?」と。
その問いに、なんと彼女はこう答えました。
「自分が成長していないことです。私がこの会社の課題です」
ふつうの会社の若い社員とは視点が違うのです。現場の人がみな、会社のことを本気で考えているのです。新入社員からして、すでに大人なのでした。
伊那食品工業には毎年、ちなみに20数名の募集に対して、多い年で8000名、少ない年でも4000名の応募があるそうです。「いい会社」 であることが、全国に知れ渡っている何よりの証拠だと思います。このように言うと、ずっと変わらぬ伝統を守り続けている会社のように思われるかもしれませんが、じつはそうではありません。むしろその逆と言ってもいいかもしれない。つまり、つねに進化し続けているのです。
優れた技術力に裏打ちされた研究開発で、次々と新商品を送り出しています。伺うたびにいつもどこか新しい試みを行っています。そこにも社員の主体性を 感じます。いわば枝や花の様子はいつも変わっている。ときには、接ぎ木をして新しい枝に新しい花が咲いているかもしれない。それでもぶれないのは、根っこがしっかりしているからなのです。根っこがしっかりしていれば、周囲の変化を受け止め、自らも変化していくことができます。
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所長視点
「働く人を成長させてくれる仕組み」がある会社とは、一人ひとりの才能を見つけ出し、その才能をもっとも生かせる場所を探して配属し、そこで才能を伸ばしていく、という仕組みだそうです
「当社の価値向上に力を貸してほしい。当社も“あなた”の価値を向上させよう」
「社員は会社の成功のために時間と労力を投入し、会社はその社員の成長、向上のために時間と労力を投入してます」なんて言える組織にしたいですね
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