やるべきかやらざるべきか、どちらを選ぶべきかなどで悩んだら、「それが自分にとっておもしろそうかどうか?」で判断するのもおすすめです。
選択に悩んだとき、人はとかくどちらが正解か、どちらが正しいかと考えがちですが、それをやめて「おもしろさ」を判断基準にするのです。
その理由のひとつは、そのほうが健康によいから。
正しいと思うことを義務感で渋々やるより、おもしろそうと思えることを嬉々とした気持ちでやったほうが人はしあわせでいられます。
イギリスのロンドンで行われた調査では、幸福を主観的に感じている人は、感じていない人よりも死亡リスクが35%低い、という結果が出ています。
ではなぜ、主観的に幸福を感じている人のほうが長生きをするのでしょうか。
「病は気から」といいますが、このほかにも、心のもちようが体の健康に与える影響は、あらゆる実験や研究から明らかになりつつあります。
健康には、しあわせと感じる状態を少しでも長く維持できたほうがいいのです。
そのためには、日々の選択の判断基準を「おもしろさ」に合わせるのもひとつの有効な方法です。ところで、おもしろさを判断基準にするとよい理由は、そのほうがやる気が出るから、という面もあります。
人が「おもしろい!」「おもしろそう!」などと感じているときには、脳内の報酬系が刺激されます。
すると脳内の伝達物質であるドーパミンが分泌されます。
ドーパミンは「やる気」のもととなる物質です。つまり、何かを選択して行動するとき、正しいかどうかで判断するよりも、おもしろさで判断したことのほうがやる気をもって行えるのです。
さらに、ドーパミンは中毒性があるため、やりはじめてうまくいくと「もっとやりたい」「もっとやってみよう」と気持ちが起こります。
正しいかどうかで決めたことと、おもしろそうかどうかで決めたこと、どちらの結果のほうがうまくいきそうかはいうまでもありません。もちろん日々の選択のなかには、おもしろさより正しさを優先しなくてはならない場合もあるでしょう。
『科学がつきとめた「運のいい人」』脳科学者、中野信子 サンマーク出版
しかしとくに年齢を重ねると、とかく人は「おもしろいかどうか」という視点を忘れがちになります。
大阪大学医学部の大平哲也准教授の論文によると、子どもは一日平均300回笑いますが、大人は17回、70歳以上になると2回しか笑わなくなるそうです。
あなたは今日、何回笑ったでしょうか?
笑いを増やすためにも、何かを選択するときに「おもしろさ」を判断基準にするのは大事、といえそうです。
所長視点
聖書に「神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった」と、喜びを中心に創造されたとすれば、人間は喜んでいる姿が本来の姿になります。
喜んでいる人は笑顔が多いし、喜んでいる人が寄ってきます。
幸せになるのは、意外と簡単なのかもしれません
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