『もし、言いたいことがあるときは、お互いに意見を主張すればいいのですが、それは笑顔で言えばいいことであって、ケンカをする必要はないんですね。
大人になるということはケンカをしないということですから。
さらに、家庭のことで言いますと、同じ言葉を他人から言われたときに、怒らないで踏み留まることができるにもかかわらず、同じ言葉を妻から言われるとものすごく腹を立てて爆発してしまう夫がいます。
また、同じ言葉を他人から言われても怒らないけれども、夫から言われるとキレてしまう妻がいます。
それは、どういうことかと言うと、外では踏み留まる能力があるにもかかわらず、家庭では踏み留まらないということなんですね。
《踏み留まれない》のではなくて、《踏み留まらない》んです。
これを一言で言うと“幼児性”です。
実は、“幼児性の克服”のためにも結婚というものが存在します。
家庭を持って、妻に対して夫に対して、あるいは子供に対して、「私」が気に入らなくて爆発する、その「私」の“幼児性”を是正するために結婚というものがあり、家庭というものが存在します。
家庭というものは、ただ自分の思いを通すための甘える場所でも、ストレスを発散させる場所でもありません。
幼児性を削っていって大人になっていく作業の場所として、結婚があり、家庭が存在するということです。
楽しい人生を生きる宇宙法則/講談社 小林正観
所長視点
幼児性が残っている人は、家庭のなかで正論で相手を正そうとします。しかし家族のなかでは正論は通じないことがほとんどです。
子供に対しても同じです。
関係性は、気持ちの関係を深めていくことですから正しい、間違っているで、相手を評価して正していこうとすると、一時的には納得しているようでも、年月を重ねていくと、関係性が薄れていきます
西郷隆盛が尊敬してやまなかった橋本左内という人物は「稚心(幼心)の決別」が自立のために一番重要であるとしました。
家族で自立していくことが、真の家庭になる王道かもしれません
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