そして大切なこと。
それは、過去の自分と比べないこと。
肉体は若いうちが華です。
でも若いうちは経験値も低いもの。年を取ると経験値が上がりますが、逆に肉体は衰えます。
肉体と経験値はトレードオフ(何かを得ると何かが犠牲になる)の関係にあるのです。
私自身、例えば5年前と比べると確実に衰えました。
でも、これが加齢の正しい進展具合だなと実感していますので、今は無理のない範囲で動いています。
そしてからだに感謝するだけで、疲労の回復が早いことは今も実感します。私の友人に齋藤應典さんという方がいます。
彼は映画やドラマの現場に欠かせない有名なスタントマンでしたが、ある日、仕事中に大事故に遭います。
その結果、脊椎骨折を含む全身約30カ所骨折、左腎臓裂傷という状態となり、医師からは再起不能と告げられました。
絶望の淵で自暴自棄となった齋藤さんでしたが、ぴくともしないからだへの強い怒りを、ある日を境に感謝の思いに変えます。
彼は自分のからだに向かって、こう言ったそうです。「これまで悪かった。これからは大事にする、だから一緒に頑張って欲しい。いつもありがとう」
関係者の誰もが齋藤さんが再び歩けるようになるなど想像すらできない中、そこから不思議なほど回復を始め、齋藤さんは現在、全国を飛び回る著名なパーソナル・トレーナーとなりました。
感謝のエネルギーは私たちの想像を超えて強く作用します。
どんなときでも、からだに感謝。
いつもありがとう、と感謝。
からだは最期の瞬間まで一緒にいてくれる、かけがえのないパートナーです。『身軽に生きる』海竜社 矢作直樹
所長視点
若いときのように動けなかったり、物忘れが多くなったり、過去の成功体験に固執したりすると今の現実が苦しくなり、現状に感謝できなくなり、不平不満が増えたりします
20代には20代にしかない輝きがあり、50代には50代にしかない喜びがあります。
過去の栄光にすがるより、いまの喜びに気づくことが幸せへの近道なのかもしれません
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