スイスの哲学者カール・ヒルティは、「寝床につくときに、翌朝起きることを楽しみにしている人間は幸福である」と語りました。
明日の朝、起きることが楽しみになるかどうかは、幸福のバロメーターです。
「明日はきっとよくなる」と思えれば、生きる希望が湧いてきますが、「またつらい一日が始まるのか」と考えると、ますます鬱々としてきます。
目覚めの楽しみを実感できないのは、とても不幸なことです。
イギリスの15歳の若者が大腸がんと診断された。
進行性の大腸がんで完治の可能性はなしとも伝えられた。
約3年で7回の外科手術、予後不良といわれる中で、がんばりました。
化学療法や放射線治療も受けた。
この青年の名前はスティーブン・サットン。
完治の可能性はなしといわれても、決して絶望しなかった。
そして死ぬまでにやり遂げたい46の目標を立てた。
ネット上に、「スティーブン物語」というサイトを立ち上げました。
彼の目標というのは、ごく普通の若者たちが考えるようなことでした。
「曲芸を学びたい」「コメディアンのジミー・カーターに会いたい」「スカイダイビングをしたい」「ダーツの大会を観に行きたい」「映画かミュージックビデオのエキストラとして出演する」など、よくある若者らしい楽しいことばかり。
サットン青年は、限りある命を宣告されても、命がけで楽しく生きようとしました。
どんな人でも、楽しく生きる自由があるのです。
1つか2つ、つらいことがあると、ついつい、楽しく生きる自由があることを忘れてしまいます。
遊び心が大切なのです。
アメリカのケンタッキー大学の研究チームは、楽しく生きる人はそうでない人より免疫力が高くなると発表しています。
サットン青年は、楽しいことをしたうえに、誰かの役に立ちたい。
がんで苦しんでいるほかの患者さんのために何かできることはないか、と考え始めた。
この青年は、がんが大腸から、肺、肝臓、骨へ転移をし、19歳で亡くなりました。
彼の言葉はインターネット上で注目を集め、320ポンド(当時のレートで5億5千万円)以上の金額の募金が集まったという。
彼は最後まで自由に生きることをあきらめませんでした。
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所長視点
人生は勘違い合戦だと言った方がいました。
自分が不幸だ…というのも勘違い。自分が幸せだ…というのも勘違い。
ようするに「自分が真実だ」と思うことは、私だけの真実であって、他の人はそれが真実だと思うかどうかはわかりません。
どうせ勘違いするのであれば、「人生はどんなときでも楽しいもの」という勘違いで生きていく。
そういう勘違いが出来る人が、幸福度が高い人ですね
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