今日のお題は
精神科医・医学博士、斎藤茂太です
たくさん、本を出してますよね?
旅行が好きで
旅客機、客船についての著書も
多くありますよ
今日のお題
若いころはせっかちだった人も、年をとるにつれて、自然にゆっくり力が身について、ゆうゆうと生きてゆけるようになる、と単純に考えるかもしれないが、それは大きな間違いである。
ほうっておけば、せっかちな人は年をとるにつれて拍車がかかり、ますますせっかちになっていくものである。
がんこな人には、同じことが起こる。
年をとるにつれて、がんこに拍車がかかっていき、「あんな、がんこなじいさんはいない」といわれるようになる。
いじわるな人も度をこして、「あんな、いじわるばあさんは見たことない」となってくる。
人の性格は、年をとるにつれて、もともとの性格が強く出てきて、極端になっていくものなのである。
加齢により血管が硬くなるように、アタマも硬直化して、思考に柔軟性がなくなるのであろう。
「一怒一老」というが、「怒り」は老化を加速させる。
ひとつ怒れば、それだけ、せっかち老人、がんこじいさん、いじわるばあさんにいたる道も早くきてしまうのだから気をつけたい。
そこでアタマの硬直化を予防する柔軟体操のひとつは、「楽しいこと」への好奇心を旺盛にしておくことである。
子供のころの明日は遠足だという前の日の「わくわくする気持ち」を、今でも覚えているだろうか。
その気持ちを、年をとっても失わないことが大切である。
わくわくが心を揉みほぐす。
心のいい運動となって、脳の硬直化を防ぐ。
楽しそうなことは、なんでもやってやろう、見てやろう、の心意気だ。
もっと「もの好き」になりなさい。
私の、わくわくするような楽しみは、旅をする楽しみ、飛行機、列車、船に乗る楽しみ、お酒をたしなむ楽しみ、むかしからの友人とほろ酔い気分で冗談をいい合って、大いに笑い合う楽しみなど、いくつもある。
楽しみをたくさんもっていたことが、心に余裕をつくりだしてくれたのではなかったかとも思う。
「一怒一老」よ、さようなら、「一笑一若」こんにちは、だ。
『「ゆっくり力」でいい人生をおくる』新講社ワイド新書
所長視点
怒りは破壊行動になると言われています。
誰かが怒れば、何かが壊れます。
物が壊れ、身体が傷つき、心が傷つきます。
物が壊れる背後には「怒り」があり、その根底には「不安」あります。
不安のときは、環境を変える。いつもと違う人と会ってみる。通っている道を変えてみる。
劇的には変わりませんが、意外と効果的ですよ
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