息子の友人に「バック・ブリーカー」とあだ名される人がいた。
「バック・ブリーカー」とは、プロレスで、相手の背骨をひざで折るようにする技のことだ。
彼はいつも、人の話の腰を折るようなことを言うので、仲間からそう呼ばれていたのだ。
このような人なので、彼の参加する会話はいつも途中で終わることが多く、シラケてしまうこともたびたびだそうだ。
こんな彼だから、会社での重要なプロジェクトに参加させてもらうことは少なかった。
日頃の言動が、いかに会社での出世を左右するかわかるだろう。
彼のようなタイプの人間を、「協調性のない性格」という。
協調性のなさは、若いうちならば大目に見てもらえることもある。
しかし、大人になってからも改善されないと、さまざまな弊害が出てくる。
特に、責任のあるポストを任される立場になっても、まだ自己主張が強すぎて、他人の話に耳を傾けないようでは、集団組織である会社や団体において正常な人間関係を営むのは難しい。
自分が協調性があるかないかを知るためには、普段の自分の言葉使いを振り返ってみるのも一法である。
あなたは、「しかし」あるいは「ですが」という言葉を会話の中で頻繁に使っていないだろうか。
「しかし、部長はそうおっしゃいますが…」という言い方には、なんとしても自分の主張を貫こうという態度が見られる。
「しかし」という言葉を会話の中で多く使う人は、自己顕示欲が強く、自己中心的な性格であることが多いのである。
このように、自分では気づかぬうちに相手の不快感を与える言葉があることを知っておくのは大切なことである。
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所長視点
しかし… でも… だって… どうせ… といった言葉にでてなくても、そういう思いが自分の中にあるということに気づくことはとても重要なことです。
人には本性があるので、気がつけば、自然と協調性のある自分になっていくのです。
気がつくことは自分ごととして受け入れることですから、結構勇気がいることでもあります。
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